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南関東文科大学 タイムカプセル発掘隊 第四話 企業内要塞学校(12)

   

次々と、息をつかせる間もなく襲ってくる吸血生物たちの猛攻を、何とか新藤の頑張りによって切り抜けた松下たち。だが、ホルンの音色に引き寄せられてきたのは、コウモリたちよりもずっと美しく、ずっと恐ろしい鳥、「白日鳥」だった。

凶暴さだけではなく、並の人間以上の知力をも兼ね備えた白日鳥の大きなくちばしが、松下の体を捉えていく……

 

ブオオーッ! ブオ―ッ!

(なっ、何だ……っ!?)
 コウモリに殺到された松下が、貧血に陥るよりも早く、野太いホルンの音が、通路に響き渡った。
 耳を塞ぐために手を動かすと、コウモリたちは、ぱっと松下の体から離れる。
 だが、空中にとどまるコウモリたちの様子は、今までとは違っていた。
 今まで、自由気ままに飛んでいたはずなのに、松下の体から離れたコウモリたちは、何かの攻撃に備えるかのように、密集体勢を取り、きょろきょろと周囲を見回している。
「はあっ、はあっ、とっ、『鳥笛』……っ。ポ、ポケットに入っていて良かったよ。コウモリにも効くんだね」
 うずくまっていたはずの新藤が、立っていた。
 新藤は、プラスチック製の小さなホルンをくわえ、右手で支えていた。
 新藤の顔も体も血でべったりと濡れていて、立っているのもやっとという様子だが、絶対に後ろには通さないという、強い意思を感じ取ることができる。
 新藤は、松下の視線を感じ取ると、にこっと小さく笑って、ホルンを口から外し、声を出した。
「い、威嚇と同時に、鳥に言ったんだ。『来てくれ』ってね。う、上手くすれば、にらみ合いになって、時間を稼げる、かも……」
「おっ、おいっ、新藤! 大丈夫かっ、無理に喋るなっ」
「へ、平気、さ。それより、ほら……」

 

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