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南関東文科大学 タイムカプセル発掘隊 第四話 企業内要塞学校(15)

   

乱戦の中で弓削と別れ、さらに先を急ぐ松下たち。廃校の中ということもあり、廊下には、人を迷わすような作為はなされておらず、一直線に突っ切れるものと思われた。

しかし、途中に張られた罠によって、身体能力の低い新藤が深手を負ってしまう。

焦る松下に向かって、シュウが突きつけた強烈な提案が、今までにない深刻な衝突を招くのだった……

 

「一直線、だったな……!」
 誰に返事を期待するわけではなく松下は呟く。
 実際、誰からも声は返ってこない。
 ただ、それも当然だ。少しでも周りに気を逸らしていると、また予期せぬ罠に引っかかってしまわないとも限らない。
 元々が学校の廊下ということもあり、松下たちは一応、かなりスムーズに走ることができた。
 新藤も、松下たちのスピードに、何とかついてきている。
 もっとも、一直線の廊下ではあったのだが、道が完全に平坦だったわけではない。
 松下たちの進む先には、何台ものハードルが設置されていたのだ。
 学校の倉庫から持ち出したような、陸上競技用の何の変哲もない障害物ではあるものの、廊下に横一列、線状に置かれているので、迂回することはできない。
 また、後ろから銃を持った追っ手が迫ってくる危険を考えると、悠長に立ち止まって押し倒しているような余裕もない。
 結局、松下たちは、学校の体育祭でやったように、疾走しながら、ハードルを跳び越えなければならなかった。
「くうっ、面倒臭えなっ! 新藤、全力で跳ばなくていいぞ。歩数を合わせて、倒さずに跳び越えることだけを考えろ」
「りょ、了解……っ!」
 まるでぽつぽつと思い出したかのように、不定の感覚で、目の前に並んでいるハードル群に、心底うんざりしながらも、松下は、新藤に声をかけ続けた。
 その甲斐あってか、元々、さほど運動の苦手ではない新藤も、なんとか、数個のハードルを突破していった。
 しかし、正面に振り向き直した松下の目の前に、鈍い銀色に輝く障害物が現れる。
 松下は、背筋に冷えるものを感じながら、思い切り前方に跳び上がり、同時に叫んでいた。

 

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