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教師と言う名の仮面 前編

   

妹の一件から2カ月ほど経過したある日、熊井まさゆきの職場である噂がながれる。
その噂の確認をする為に、カメラを設置する。

この作品は「腐女子的妻の策略」の続きになりますが、今回は妹ではなく兄の方が主人公になっています。

 

「熊井先生、例の件はどうなりました?」
白髪交じりの男性に声をかけられ、ひとりの男性が声のする方へと視線をあげる。
「まだ生徒が残っていますので、もう少し経ったら設置してこようと思っています。ただ明日から文化祭ですので、結構遅くまで生徒は残ると思うのですが」
「ああ、それもそうですね。では他の先生にも手伝って頂いて、校内見回りのついでに設置してもらいましょうか」
「そうして頂けると助かります」
熊井と呼ばれた男は申し訳なさそうに頭を下げた。
ここはとある私立高校の職員室、明日から文化祭ということもあり多くの生徒が準備に追われ、その生徒が全員下校するまで教員は帰る事ができず、職員室には結構多くの人が残っていた。
白髪交じりの……この高校の教頭なのだが、数人の男性教員に声をかけ、熊井先生を手伝って欲しいと腰低く頼み回る。
その姿をチラリと見ながら、熊井の隣にいた彼よりも若い男性教員が小声で訊ねて来た。
「あの噂は本当なのでしょうか? その、俄かに信じがたいのですが」
「そうですよね。自分もできればただの噂であって欲しいと思いますよ」
言いながら熊井は罪悪感のようなものと戦っていた。
「でも、ただの噂だという証拠を掴むには、やっぱりこれしかないんですよね」
若い男性教員も何か思う事があるようで、今回の決定に納得できずにいるようだった。
「文化祭が終われば期末テストがあり、三年生にとっては年が明ければ受験がある。この時期、生徒によからぬ邪心のようなものを与える事は学校としても望みませんしね。あまりいい気はしませんが、仕方ないです」
「そうですよね。熊井先生の方がお辛いですよね。責任者みたいなもの押し付けられて」
「それこそ仕方ないと思っていますよ。なんせ、自分のクラスの生徒の名前があがっているのだから」
苦笑いを浮かべる。
その数分後、頼み回った教頭が熊井の元に戻り、手伝ってくれる先生の名前を伝えると職員室を出て行った。
それから更に数十分後、下校時間を知らせるチャイムが鳴る。
「では皆さん、よろしくお願いします」
手伝ってくれるという先生たちにカメラを手渡し、設置する場所をそれぞれに教えた。

 

-ノンジャンル

教師と言う名の仮面<全2話> 第1話第2話

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