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南関東文科大学 タイムカプセル発掘隊 最終話 埋蔵された巨謀(15)

   

レビンたちの拠点に足を踏み入れた松下たちは、意外にも「鬼ごっこ」の相手をするよう命じられる。

小馬鹿にされているのは明らかだったものの、「龍人」と本気の戦いをするよりもマシだと、「鬼ごっこ」に臨んだ松下たちだったが……

 

 龍人たちが整列している道の真ん中で車を止め、松下たちは道に降り立った。
 無言のうちにも、ピリピリした雰囲気が伝わってくる。あるいは、緊張しているのは、松下たちだけかも知れない。
「行こう。横槍を入れられてはたまらんからな」
 フィステンが、開いた扉の中に向けて歩を進めていくのに、松下たちもならう。
 洞穴の中は薄暗く、整然と石やレンガが積み上げられ、壁面を構成していた。
 何千年もの歴史に耐えてきた、まろやかで、しかもくすんだ岩肌は、ダイヤモンドに粘り気を加えたように強靱に見える。
 普通の銃砲では、かすり傷すら付けることもできないだろう。
(やべえ……っ!)
 一見普通の、実は完全に常軌を逸している洞穴の壁面や天井に、松下は逃げ出したい気分でいっぱいになっていた。
 どれだけの素材を作り、加工したかによって、その文明の進み具合が分かる。
 つまり、人間界では有り得ない素材を建材として扱えるほどに、龍人たちの「文明」、ひいては「戦力」は秀でていることになる。 到底太刀打ちできるような戦力ではない。
 しばらく歩いていくと、体育館ぐらいの大きさがある広い空間に出た。
 空間にはいくつもの細い分岐路があり、上下のフロアに行くための階段も見える。
「こ、ここは?」
「心当たりはないが、何となくの見当はつくな」
 不安気な声を発した新藤に、フィステンが応じたところで、背後の通路を降りてきた扉が塞いだ。
 松下たちは閉じ込められてしまったというわけだ。

 

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