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ノンジャンル

幻影草双紙7〜男と女〜

   

 所詮、この世の中には、男と女しかいません。
 これ以上、申し上げることはありません。

 

 外資系ホテルの最上階にあるレストランである。
 青を基調とする落ち着いた雰囲気の中に、男と女は座っていた。
 窓の外には、東京の夜景が広がっている。
 シャンパンで乾杯した後、ふと沈黙が訪れた。
 男は、女の顔を見て笑った。
 女がささやいた。
「ねえ、何、考えているの?」
「君と同じこと」
 女は、驚いたように言った。
「いやらしいわね」

 2DKのアパートである。
 建て売り住宅が完成するまでの間の、とりあえずの住まいなのだ。
 男は、母子を見ながらビールを飲んでいた。
 女が赤子に乳を与えている。
 赤子は、満足して寝た。
 女は、セーターを直しながら、男の脇にすわった。
 女が言った。
「ねぇ、何、考えているの?」
「君とおなじこと」
 女は、幸せな顔で言った。
「いっしょにいきたいわね」

 

-ノンジャンル


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