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南関東文科大学 タイムカプセル発掘隊 最終話 埋蔵された巨謀(21)

   

敵の猛反撃に直面して機外に飛び出したシュウと白井は、背中の飛行装置を使って、空中からの侵入を試みた。

だが、館を守る「獅子」たちも、同じように飛行装置を操り、徹底的な防戦を続ける。

庭内に近付くにつれ激しくなる攻撃に手を焼いたシュウたちは、地上から攻め入ることを選んだのだが……

 

「行くぞっ、ミスをするなよっ」
「了解」
 白井の掛け声に応じつつ、シュウは機外に飛び出した。
 空中で脱出したことを活かす形で、ポッドの射出口を真後ろに向け、館への推進力とする。
 無数の降下兵もシュウたちと同じように、空気を切り裂き、小銃を構え、前に進んでいく。
「ち、ちいいっ!」
「うわわわっ、助けてくれえっ!」
 だが、降下兵の進撃は、すぐに遮られた。
 館の中から飛んでくる無数の火線に晒され、さらに迎撃してきたポッドを付けた兵たちに背後につかれ、銃弾を受け撃破されていく。
 攻め手の兵士は膨大で、積極的に銃弾を発射しているが、敵兵にはまるで当たらず、逆にすぐさま叩き落とされていく。
 その光景は、最新鋭の戦闘機に、機銃を付けただけのグライダーや小型機が、手もなく撃墜されているのにも似ていた。
「相当、やるようですねっ」
 シュウの前にも、狙撃用のライフルを持った二人の男が躍り出た。
「獅子」の一員として知られた連中で、シュウも見覚えがあった。「獅子」たちは、油断なく躊躇もせず、シュウの左右斜め前に進み出て、引き金を引いた。二つの銃弾が、両サイドから同時に、シュウに襲いかかってくる。
「ぬうう……っ!」
 タイミング、間合い、ともに申し分ない攻撃だった。並の人間なら、身じろぎすることすらできず、致命傷を負っているはずだ。
 しかしシュウは、「特別」だった。
 背中を這い上がってくる死の予感を振り払い、体の周囲に「竜巻」を起こし、銃弾にぶつける。
 巻き込まれた弾はわずかに逸れ、シュウの両肩をかすめた。
 シュウは小さく呻きながら、ほとんど日本刀を抜き打ちするような気持ちで、銃を左右に向け、引き金を引いた。

 

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