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南関東文科大学 タイムカプセル発掘隊 最終話 埋蔵された巨謀(23)

   

白井と別れたシュウは、さらに前進を続けた。さすがの「獅子」たちも、ほとんど抵抗する余力を失っていた。シュウは、それ以上怪我をすることなく獅子騎兵団の長、「老獅子」と対面する。

たった一人で死体の山を築いた「老獅子」の圧力は凄まじく、激闘の中で、シュウはさらにダメージを蓄積していったのだが……

 

 白井は、再び「獅子」たちとの戦いに戻った。素晴らしい能力の持ち主だが、もはや生きて再び会うことはできないだろう。しかし、いつまでも別れを惜しんでいる暇はない。一刻も早く、あの「獅子の親玉」に会わなければならないのだ。
 シュウが大きな扉を開けると、中から銃声が響いてきた。
 反射的に身をかわしたが、シュウの方には向いて来なかった。
 どうやら、近くにいる誰かに、「獅子」が発砲しているらしい。
 最奥部に続く通路には、ほとんど「獅子」の姿はなかった。いたとしても既に死体となっていて、シュウへの脅威にはなり得ない。
(まあ、胸に大穴空けた状態で、あの人に会おうというのですから、これぐらいのツキがなければ。……粘り切れればいいのですが)
 一方で、シュウは、自分の体力が、完全に底をついていることを知っていた。あらゆる技術を用い、精神力をつぎ込んで平常通りの動きを維持しているが、ほんのわずかな、小さじ一杯分ほどのダメージが加わっただけで、精神が肉体を支え切れなくなりかねないことを理解していた。
 通路を奥に進むにつれ、壁や調度品の類いは豪華さを増していき、血の臭いも濃密になっていく。両軍の兵士の死体が、まるで触れることを許さぬ偉大な遺跡物のように、通路のあちこちで存在感を示している。
 シュウは、彼らの一人一人に心中で敬礼を送りながら、先を急いだ。背後からは、物凄い人数の怒号が鳴り響いている。
「獅子」側からの散発的な抵抗があっても、もはや「戦い」と呼ぶことは難しい。

 

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