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幻影草双紙15〜どこかで聞いた話〜

   

 とうとう書くネタがなくなったので、昔聞いた話を書きます。
 昔聞いた話なので記憶違いがあるかもしれません。

 

 昔々、戦国時代のことです。
 病気が重くなった国主は、三人の息子を枕元に呼びました。
 三人とも、膂力に優れ、知恵も豊富でした。
 戦国の世を生き抜く資格を十分に持っていたのです。
 国主は、息子達に、矢を一本ずつ渡して、言いました。
「それを折ってみよ」
 息子達は、簡単に折りました。
 次に、三本の矢を束ねたものを、各人に渡しました。
「今度は、それを折ってみよ」
 力持ちの息子達は、やはり、簡単に折りました。
 国主は、折れた矢の束を見ていましたが……、そのまま、息を引き取りました。

 父親の墓の前で、息子達は話し合いました。
「親父どのは、何を言いたかったのであろうか?」
「三本を束にして……、それを折って……?」
「我々なら、十本を束にしても折れるぞ」
「それだ!」
「何?」
「今の世の中では、矢なんて役に立たない、ということだろう」
「うむ。鉄砲じゃな?」
「そうじゃ」
 新しいテクノロジーをどん欲に取り入れた彼らは、戦国の世を制覇したのでした。

 

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