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ラブストーリー

もういちど、すきって言ってもいいですか 4

   

カレの指があたしのふくらはぎにそっと触れる。

筋肉の隆起を確かめるようなその指使いに、あたしの喉は声にならない吐息を漏らした。

――なんて、いじましい妄想を10年も続けていれば、少しは女っぽくなれたかしら。

本当のあたしは、あのことにこだわりすぎて一歩も前に進めない。

けど。

銀色のボールがあたしの中の、小さな抜けないとげに引っかかった想いを引きずり出していく。
それは甘くて、はじけて飛んでいくような快感で――。

 

 一回吹っ切っちゃえば早いもので、それからは二時間たっぷりコートでボールを蹴りあった。

 エントリーしちゃった大会まであと十日ほどしかないし。
 それまでって確か期末テスト対策の準備とかあるはずで、スケジュール的に無謀な計画だと思ったけど、いざやるって腹をくくるとやることは盛りだくさん。
 なんとかチームとしての体裁を整えなきゃいけない。
 とりあえずパス回しやシュート練習の間、個々のサッカー歴や運動歴を聞いて回った。
 大鳥、伊東の両先生はまるっきりのサッカー初心者。体育の授業でやったことがあるって程度で、ボールの蹴り方からトラップの仕方が自己流のクセが染み付いちゃっている。
 ただ二人とも中学高校と運動部で基礎体力はありそう。
 伊東先生は体格からもキーパー。大鳥先生は足も速いし、使い方によっては化けるかもしれない。まずは足元にボールをきちんと落とし込む練習からかな。
 橋口先生は中学でサッカーをやっていたんだそう。

 

-ラブストーリー

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