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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

その果ての刃 2

   

被害者3人の身元がわかり、3人目の被害者の夫が重要参考人として事情聴収されることに。
その間、もう一度聞き込みをした刑事から新たな情報が入り、熟年刑事の芳本と新人女刑事の湯江が動き出す。

 

 3つの遺体の身元は意外と早く判明した。
 所持品はそのまま、金品も全く盗られていないことから物取りの犯行ではないという見解で一致する。
 所持品の中にあった携帯電話や社員証、免許証などから被害者の身元の判明と確認が出来てしまったからだった。
 最初の遺体、被害者は29歳の男性、建築デザイナー。
 都心のかなり大手の会社に勤務で、殺害された当日は宿泊していた温泉宿の改築の下見で来ていた。
 中居さん含め従業員に話を聞いても、彼はひとりで泊り、彼を訪ねて誰かが来たという形跡はないと言う。
 でも、シーズンまっただ中というわけでもなく、どちらかといえば閑散としているこの時期、経費削減で従業員を減らしている為、細かいところまで行き届かない点もあるかもしれないと女将は言う。
 それはつまり、従業員含めそういう人物を見ていないけれど、その隙に入り込んでいる可能性は否定できないということになる。
 また、正面ロビーを通らず中に入り込む事も出来ないこともないというのだから、証言をそのまま鵜呑みする事はできず、聞き込み範囲を広げている最中でもあった。
 2体目の被害者は19歳の女性、地元繁華街でホステスをしている。
 ホステスという仕事柄交友関係が多すぎて難航中。
 3体目の被害者は川岸に横たわっているのを新聞配達の人が発見、通報。
 全裸でしかも全身の毛が剃られている事から、最初はマネキンかと思ったと発見当時の事を証言している。
 30歳、主婦。
 夫との仲もよく近所付き合いもいい。
 ただ、なかなか子供が出来ない事を悩んでいたという話が出てきていることから、現在夫を重要参考人として取り調べている。
 纏められた書類、報告をする刑事の内容との相違も、新たな報告もないまま会議が終わり、午後になるとそれぞれ与えられた持ち場に散って行った。
 私はといえば、相方の先輩刑事、芳本さんがちょっと待っててくれと単独行動を希望したので、会議室で待機中。
 時折かかってくる聞き込みをしている刑事からの報告と連絡の繋ぎを取りながら、午後の勤務が終わりに近づいた頃、芳本さんが会議室に戻ってきた。

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド


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