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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

自称天才数学者の推理記録 記録2 第9話

   

 記録2《チャンスが来たら、死ぬ気でつかめ》

 E・R、および、D・H・W へのオマージュです。
 (ネタバレにつながりますので、あえて頭文字だけにします。)

 

 明治桜花大学が産声を上げたとき、チェコのプラハのカフェに一人の青年がいた。
 アインシュタインという名前の物理学者である。
 その当時、アインシュタインは、独創的な理論で一部の人々に知られていた。
 あくまでも、一部の人々だけである。
 一般的には、無名であった。
 無名であり、特許局の事務員という履歴が災いして、大学に職がなかった。
 なんとか大学へ就職したい、と工夫をした。
 この点だけは、自称天才数学者と同じである。
 工夫が実を結び、アインシュタインはプラハの大学に就職出来た。
 だが、ドイツの大学に比べれば、格は下である。
 学生の実力は、低い。
「この問題が解けないのですが」と、学生が持ってきた紙に書いてあるのは、二次方程式であった。
 日本ならば、中学生でも解ける。
 アインシュタインは、プラハのカフェで、その紙をテーブルに置き、溜め息をついた。
(俺は、何をしているんだろう……)
 今、ここに学生はいない。
 独りになっている、貴重な時間である。
(アレを考えなくっちゃ……)
 アインシュタインは、コーヒーを飲みながら、考えに耽った。
 元女優志望の女子学生が、タイムマシンを勉強するのに必要とした、あの理論を考え始めたのだ。
 そこに、高等学校の先生が通りかかった。
 二次方程式が書いてある紙を見つける。
 大体、学校の先生というのは、お節介が多い。
 この高等学校の先生は、二次方程式を解き、アインシュタインに見せた。
「こう解けばいいのですよ。あなたには難しいでしょうけれど」
 アインシュタインは、非常に複雑な表情になった。

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

自称天才数学者の推理記録 記録2《チャンスが来たら、死ぬ気でつかめ》<全11話> 第1話第2話第3話第4話第5話第6話第7話第8話第9話第10話第11話

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