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明治桜花大学七不思議 5

   

《自称天才数学者の推理記録》の《番外編》の《明治桜花大学七不思議》の、〈その5〉です。
 桜池は、うっそうとした森の中にあります。
 この池を見た途端、この池に死体を浮かべてやろう、と思いました。

 

* 七不思議 その5。
《中央公園の桜池》

 明治桜花大学の敷地の中央部に、中央公園がある。
 公園の半分は、芝生であり、その間に小径があり、所々にベンチが置かれている。
 天気の良い日には、秩父山系が見える、気持ちのよい場所である。
 公園の残りの半分は、うっそうたる森になっている。
 この土地が開墾される前の雰囲気を、そのまま今に残しているのだ。
 この森の窪地に大きな池がある。
 最近の学生は、〈ハート池〉と呼んでいる。
 池の形を、ハートの形と思っているのだが、本当は、桜の花びらの形なのである。
 したがって、〈桜池〉の方が正しい。
 人によっては、〈カッパ池〉などとも呼んでいる。
 森に囲まれた池なので、河童がいてもおかしくない雰囲気ではある。
 実際の所、江戸時代までは、この周辺は、開墾されていない原生林であった。
 この池も、当時は、瓢箪形の巨大な沼であり、河童が生息しているとの噂があり、誰も近寄らないのであった。

 明治桜花大学の前身は、赤谷正九郎が創立した、理学を教える日本山桜専門学校である。
 日本山桜専門学校の場所は、旧佐賀藩の中屋敷跡。
 現在の、虎ノ門病院のあたりである。
 赤谷家は、佐賀藩の重役の家柄であったのだ。
 赤谷正九郎は、この学校の規模を大きくするとともに、移転を考えた。
 場所は、赤谷伯爵の別荘である。
 別荘とその周辺の土地を開墾し、スケールの大きな大学を造ることにしたのだ。
 問題は、設立に必要な財源。
 赤谷正九郎が思いついたのは、青石隆司であった。
 青石隆司は、先代の赤谷伯爵の部下に繋がる人物であり、欧州で、事業に成功していた。
 青石隆司は、快く、資金提供に応じた。
 日本と欧州の間で、手紙のやりとりが続き、大学設立の計画が完成に近づいた。

 

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