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明治桜花大学七不思議 6

   

《自称天才数学者の推理記録》の《番外編》の《明治桜花大学七不思議》の、〈その6〉です。
 古い城や歴史ある建物には、〈開かずの部屋〉というようなものが、必ずあります。
 明治桜花大学にもありました。

 

* 七不思議 その6。
《開かずの蔵》

 太平洋戦争では、日本、アメリカ双方で、膨大な戦死者が出た。
 戦死者の氏名を全て書き出すとしたら、分厚い辞書ほどのページが必要である。
 そんな中で、アメリカ軍の最後の戦死者の名前をご存じだろうか。
 テレビの雑学クイズに使えそうな質問であるが、これに答えられる者は、ほとんどいないであろう。
 答は、マックス・ブランドン二等兵である。
 順番に説明する。

 明治桜花大学の創立者は赤谷正九郎であるが、赤谷家は、代々、佐賀藩の勘定方であった。
 勘定方とは、藩の会計を扱う部門である。
 赤谷家の役目は、会計書類を始めとする、藩の書類を整理保存する事であった。
 佐賀藩は、鍋島氏の藩であり、佐賀鍋島と言えば、〈化け猫騒動〉で有名である。
 この話は、次のように伝えられている。
 ちょうど、豊臣秀吉が天下を統一する頃。
 肥前の国、佐賀地方を治めていたのは竜造寺氏であった。
 ところが、竜造寺氏の家臣であった鍋島氏が、竜造寺氏を倒してしまった。
 鍋島氏は、秀吉から所領安堵の朱印状を貰い、佐賀地方の主となったのである。
 龍造寺の遺子高房は、無念の思いを抱いて、鍋島氏を恨みながら自刃した。
 龍造寺高房が息絶えたとき、彼がかわいがっていた猫が来て、彼の血を舐めた。
 この猫が、化け猫となって、鍋島氏を苦しめた。
 だが、ついには、鍋島氏の家来によって退治されてしまう――。
 これが〈化け猫騒動〉の話である。

 

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