幻創文芸文庫 (β)

小説好きの創作小説を無料配信*スマホ対応

ラブストーリー

めいぷるのように恋して:2話

   

くるみは関屋楓と付き合うことになった。
初めてのお付き合いだが、恋人らしいことは少なく……。
ある日、自宅に来いと誘われてしまった!

 

 これまで何度かお菓子を包装して、持っていったことはあった。そのときに、確認もせずに無闇やたらに渡してしまったのかな。

 だとしたら、別グループの人にも私の評判が轟いているってことかな。
 それにしても、お菓子姫ってあだ名は恥ずかしいどころの話じゃあない。

「あのときのクッキーは、スライスアーモンドのメープルクッキーだったかな。市販や洋菓子店のものよりもサクサクしてほっぺが落ちそうで、鮮明に残ったよ」

 穏やかな微笑とつらなる褒め言葉に、頬の熱が急上昇して俯いてしまう。

「あれっ、照れたの?」
「照れますよ。過剰に花を持たせられたことはありません」

 さくっと返答すると、関屋さんはわたしの頭に手をのせる。
 市販のよりも美味。万人受けの菓子と比較するのはどうかと思うけど、喜ばれるのは悪い気はしない。
 お菓子作りが好きだから、美味しく食べてもらいたい。口に合わない人がこの世にいるとしても、その分喜んでくれる人がいれば生み出し甲斐もある。

「ねぇ、ひとついい」
「聞くだけならばいいですよ」
「駄目。ちゃんと答えて」

 ひとつと問われれば、しようもないことを尋ねられる。
 わざわざ、わたしのお菓子のために他のビルからやってきたもの。どうせ、お菓子のひとつやふたつ、僕のためにこしらえてくれ、とかなんとか。

「僕の恋人に、将来のお嫁さんになってよ」

「…………は?」

 

-ラブストーリー

めいぷるのように恋して<全4話> 第1話第2話第3話第4話

コメントを残す

おすすめ作品