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ラブストーリー

めいぷるのように恋して:3話

   

待ち合わせの日、くるみは最寄り駅近くであるものを購入。
関屋と合流し、彼の家へと向かった。
彼の家は、寮ではなくなんとマンション。しかも景色の見える良い部屋で……。

 

 就業時間は十九時まで。金曜日となると、明日が土曜だからか原宿はいつも以上に賑わいを見せる。
 その中でぽつんとひとり、関屋さんを待つ。格好はどうであれ、人混みの中、うっかり別の子に声をかけてしまいそう。
 群となった人々を眺めていると、手を振る男性がひとり視界に入る、関屋さんだ。小走りで駆け寄り、彼の前で立ち止まる。

「こんばんは、菅野さん」
「こっ、こんばんは、です。えっと」
「帰宅ラッシュに重なっちゃったけど、電車に乗ろうか」

 関屋さんに促されるまま、山手線内回りの電車に乗り込む。やはりというべきか、車内は混み合っている。アルコールのにおいを漂わせているサラリーマンも乗っているのだ。

 うちの会社よりも就業終了時刻が早いのは羨ましい。その分、イエックスの就業開始は九時半で、遅い方に入る。早起きするのと、早く帰宅するの、どちらがいいのか。
 電車の中で終始無言なのは、お互いに極度の緊張を与えてしまう。この場をリラックスさせる、例えば。

「関屋さんは、早起きは得意ですか?」
「うーん、どうだろう。規律正しい生活を送っていれば、目覚めることに関しては苦じゃないかな。その代わり、準備が億劫だけど」
「わたしは苦手です。血圧は医師に指摘されるほど低くはないのですけど、毛布やベッドが恋しくて」

 

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