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鐘が鳴る時 ■予感-七海朔也 参

   

黒髪、黒い瞳を持たない俺の姿を見ても動じない沖田総司。
俺の秘密にも粗方気づき、言い当てて来る。
今生の別れも近いと悟った俺は、沖田の知りたがっていたことを話す事にした。

 

「斬り捨てる……ね。俺の知る限り、沖田総司という剣士に勝てるとは思えないね」
 異形の姿をしていると言う彼、恐らく本来の姿に戻っているんだろう。
 この時代の者が見た俺の姿は、魔物とそう大差ないはず。
 紫の目、紫の髪、魔物か鬼か妖怪か……そんなところだろう。
 そんな俺を見ても平常心でいられる彼に、実際の腕はわからないが精神面で勝てる気がしない。
「いいさ。あんたの言葉を信じてやる」
 どうせ短い命だ。
 俺の知る新撰組といえば、池田屋事件で一躍時の人となるが、今はその気配がない。
 隊士全員を見たわけではないが、芹沢鴨らしき人物がいないことから、彼亡き後の新撰組だと推測、というか新撰組と名乗っているあたり、もう芹沢鴨亡き後だろうな。
 ――となると、来年あたりに池田屋があり、そこから沖田の病状が悪化していく。
 新撰組とは別行動もしていると思われるし、このことを口にしたとしても、信じる者はいないだろう。
 俺は沖田から一旦視線を外し、箱の中にある刀を手に持ち、再び彼をまっすぐ見据えた。

 

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