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SF・ファンタジー・ホラー

黄昏乙女

   

黄昏の中で座り込む少女の前に現れたのは、優しげな笑顔の男の子だった。

 

 逢魔が刻、繁華街から少し離れた小さな交差点にひとりの少女が膝を抱えて座っている。
 少女のつぶらな瞳は、交差点を渡る人々を哀しげに見詰めていた。往来を行く人々はそんな少女に目を向けることはない。それぞれの日常をそれぞれに生きていた。
 きっと私のことなんて誰も見ていない、少女はそう思った。

「こんなところで、なにをしているの」
 不意に、少女の目の前に小さな男の子が座り込んだ。そして優しげな笑顔を浮かべ顔を覗き込みながらそう問う。
 少女は俯き深い溜息を吐く。そして小さく小さくこう応えた。

「分からないの」
 少女の言葉に男の子は首を傾げる。

「どうしてわからないの」
「それも分からないの」
「そうなんだ」
 男の子の声色は、何ひとつとして問い詰めていなかったが、少女には答える術がなかった。大体、それが分かればこんなところに座り込むこともない。もう帰る場所すら分からないのだから。

 

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