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ノンジャンル

鐘が鳴る時 ■誓い-天麻皇女 3

   

八角の言っている意味が理解できない、したくないという気持ちが止まらず、朔也がいるという牢に向かい、彼に会う。
彼の口から聞かされた言葉の意味が理解できないが、助けたいという気持ちが皇女を動かしていた。

 

「朔也が?」
 最初に停止したのは思考回路、続いて身体が凍りついたように動かなくなって、朔也の名を口にするのが精一杯だった。
 重大な罪って?
 一日前に会ったばかり、たった一日で重大な罪を犯せるもの?
 冷徹な八角智也の直属の部下である朔也が、そんなことを考えるとは思えない。
 何かの間違い――助けられるのは、私しかいない。
 止まっていた思考が再び動き出すと、動かなかった身体も動くようになり、私はその場を背にして罪人が入れられる、牢という小さな空間へと、必死に走った。
 走る私の背中に向かい、八角が何かを言ったような気がしたけど、耳を傾けるゆとりなんて、あるはずもない。
 あの時、彼は何を言っていたんだろう……そう思うこともなかったから、ありふれた事を言ったのよね。
 もう遅いとか、無駄とか。

 

-ノンジャンル


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