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歴史・時代

黒い鷹・尼子秘帳 第四話

   

 江戸の風景については、幕末の写真も参考にしました。
 ビルがなく、道がアスファルトではない写真は、非常に参考になりました。

 

 後藤大助と試合をした次の日である。
 黒鷹精久郎は、瑞竹寺の裏の竹藪の中にある念仏堂で、目を覚ました。
 昨日のうちに、念仏堂は、きれいに掃除がされていた。
 それで、昨晩から、ここへ移ったのである。
 寅三ツ刻である。
 水を被って身体を清める。
 一時の間、居合いなどの鍛錬を行う。
 それから、玄米の食事をする。
 食事の後、端座して大刀を抜いた。
 刀身の太い、実戦向きの刀であった。
 銘はない。
 打粉をかける。
 拭い紙で拭う。
 刀身を見る。
 この数日で、二人も斬ったのである。
 研ぎに出した方がよいであろう。
 油を塗る。
 人の気配を感じた。
 もちろん、小刀は腰に差してある。
「黒鷹さん、私です」
 円仁和尚が入ってきた。
「お客様ですよ」
 円仁和尚は、部屋の中を見回して、独り言をいった。
「客を通す部屋じゃない。わざわざ、こんな所へ移って、どういうつもりなのか、まったく、もう」
 円仁和尚と入れ違いに、同心の芥川行蔵が入ってきた。
 芥川行蔵は、部屋の中を見回して、円仁和尚に答えるかのように、言った。
「ここは竹藪の中。矢は通りませんねえ」

 

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