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サンタカード

   

彼女だと思っていた八木 希にハメられ、今年も寂しいクリスマスを過ごすハメになった「俺」には、秘密があった。

それは、「サンタカード」。モテない男子高校生たちが、クリスマスへのやっかみを形にしたとも言われるカードだった。高校の時に、校内最強の証明として手渡されたものだが、もちろんサンタに会えるような効果はない。

しれっと自分を騙していた希と、希とつるんでいる男への悔しさを抱えながら眠りについた「俺」は、聞き慣れない声で目覚めた。飛び起きてみると、なんと、サンタが立っていた。身長二メートルぐらいはありそうな巨漢のサンタが、笑って立っていたのである……

 

 冬の風が、やけに頬にしみた。
 傷口が、外気に触れると、やはり痛む。
 そのダメージが、肉体だけじゃなく、精神まで及んでいるような場合はなおさらだ。
「別れたいのよ、あんたと」
 十二月二十四日、つまり、今日、俺は彼女だと思っていた女から、別れを突き付けられた。
 こちらに浮気をしたりといった、落ち度があったわけじゃない。彼女に不満の素振りがあったわけでもない。
 何の前触れもなく一方的に、しかも反論を許さぬ強さで突き付けられたのだ。
「な、何だよそりゃ。ワケ分かんねえぞっ!」
 もちろん俺は抗議したが、まったく受け入れられなかった。
 一年間、ずっと魅力的な笑顔を見せ続けていてくれた彼女、八木 希は、俺に、まるでゴミでも見るような視線を向けて、言い捨てた。
「もういらないって言ってるのよ。消えてよ、私の前から」
 希は、心底憎いという感情を露にしつつ、俺の前から去っていった。
 クリスマスイブ、日本においては、ほとんど恋人たちのためのものになっているような日に、俺は完全にフラれたというわけだ。

 

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