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ノンジャンル

鐘が鳴る時 ■除夜の鐘

   

鐘が鳴る、鳴り響いている中、七海朔也は意識を取り戻した。
江戸末期から飛ばされたのは、どこの時代だろうか…
暗躍した黒幕の正体、罪なき罪を背負わされた理由が明らかになる

※SF+ミステリー+恋愛のような内容で、この章は七海朔也視点で展開しています

 

 鐘が鳴りやまない、なぜだ?
 ゴーンと重い鐘が鳴らす音が耳から離れずにいることに違和感を覚えた俺は、気だるい身体を起こし、暗い空間の中で目を凝らした。
 上下左右の方向感覚が麻痺しているのか、それとも重力に問題があるのか、身体を起こしたはずなのに、安定感がなくふわふわと宙に浮いているといった状態に、何かが違うと悟る。
 頭の中で鐘が鳴りだすと、俺の意志関係なく別の時代へと飛ばされていた――が、ここはどこだ?
 いや、それ以前に記憶がある……今までと違うことに、自分の身に何かが起きているのだということはわかるが、記憶の欠片が外れているらしく、状況をしっかりと把握できない。
 呼吸をして気持ちを落ち着かせ、目を閉じると、これまでの記憶が蘇る。
 沖田総司は約束を守ってくれただろうか……江戸末期より未来に飛ばされたら確認しなくてはならない。
 真田家の件はどうだろう……戦国時代と言われている時代の歴史記述、どこまで信憑性がある?
 生きながらえた子孫はいるのだろうか……混乱した時代に飛ばされていなければ、確認できるかもしれない。
 義経はあの後どうしただろう……未来ではどう言い伝えられている?
 記憶があるということは、確認しろと言うことだろうか。
 そもそも、俺はなぜ歴史の中を彷徨っている?
 歴史を彷徨う……ああ、そうだ。そうだった。
 歴史を彷徨っているわけではない、時を彷徨わされているのだ、俺は。
 あの人を守る為に、そしてあの人に再び会う為に、俺は戻らなければならない。
 天麻皇女がいる時代に、浮遊都市に――

 

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