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幻影草双紙34〜川中島の対決〜

   

 武田信玄と上杉謙信は、川中島で対決しました。
 火花を散らす、ホットな戦いでした。

 

 美術品競売会社としては、サザビーズが世界的に有名である。
 例えば、百億円を超える金額でピカソの絵を売ったのが、この競売会社であった。
 もともとは、蔵書の競売がスタートであったが、その後、美術品一般の競売をするようになった。
 現在では、世界各地に事業所を持つ、大会社なのである。
 創業は1744年。
 つまり、現在まで、270年の歴史を持つ老舗なのだ。
 日本における美術品競売会社としては、帝国池之端商会が老舗である。
 くしくも、サザビーズと同じように、旧大名家の蔵書競売を出発点として、明治末期に創業した。
 その後、手堅い商売を続けている。
 一番儲かったのは、太平洋戦争の後であろう。
 財閥解体で、多数の美術品が市場に出た。
 それを販売して、現在に至る基礎が確立したのだ。
 手堅い社風なので、サザビーズのような派手さはない。
 地味なので、一般の人々には、あまり知られていない。
 だが、プロの間には高い信頼があるのだ。

 この帝国池之端商会で、美術品の競売に関係しない一般の人々の注目を集める事件が起こった。
 事件といっても、新聞の一面に載るようなものではない。
 一般の人々といっても、普通の成人男女ではない。
 もう少し、〈キワモノ〉が好きな人々。
 宇宙人とか、呪い、心霊現象、超古代文明などが好きな人々である。
 こういった人々が大好きな事件である。
 事件というのは、右島信太郎が作った木彫の武田信玄像が発見された、ということである。
 そして、その木彫の像が、帝国池之端商会の競売予定の品々の中に入っているのだ。
 他の高価な絵画や宝飾品に比べれば、影の薄い地味な木像である。
 作者の右島信太郎も、ほとんど無名である。
 だが、右島信太郎の作った木像に注目したのが、美術品には関係ない、四次元社であった。
 四次元社は、地底人とか、超常現象、アトランチスやムー大陸などをテーマとする書籍を手がける出版社である。

 

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