幻創文芸文庫 (β)

小説好きの創作小説を無料配信*スマホ対応

ラブストーリー

白いキャンバス ●思い出編 1

   

白いキャンバスと向かい合っていると笑い声が外から聞こえてくる。
その光景を見た青年は、10年前の出会いを思い出す――
時は春、桜舞う中の入学式、校門近くで誘導していた青年は、ひとりの新入生に声をかけられて…

 

 優しい日差しが差し込む部屋の一角に、白いキャンバスを置き、それと向かい合っていると、窓の外から愛情のこもった笑いが聞こえてきて、僕の視線は、自然と笑い声がする方へと流れていく。
「もう、そんな季節なんだな」
 真新しい学生服を着た少女と、付き添う母親の姿が窓の前を通り過ぎていく、その姿を見た僕は、誰かに問いかけるわけでもなく、そう呟いた。
 そういえば――とあの頃を思い出す。
 十年前の今頃、僕は真新しい学生服を着て校門をくぐる彼らを出迎えていた。

 

-ラブストーリー

白いキャンバス<全6話> 第1話第2話第3話第4話第5話第6話

コメントを残す

おすすめ作品