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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

堕天使の鎮魂歌 2

   

5年の年月が経過したある日、雅孝は三上の指示で新しい依頼を引き受ける事に。
珍しく協力者を用意しての大仕事らしい。
その協力者というのが――

 

 

【ゲームスタート】

 あれから5年の月日が流れ、ひとつの仕事が終わると引っ越すという習慣がついていた。
 足取りを探らせない為でもあったが、本音は違う。
 諦めの悪い女に付き合うのが面倒だったからだ。
 遊びだと、残酷な捨て方をしても諦めない女たち。
 愛が無くてもいい――だなんて、俺にははなっから愛なんてない。
 もとから無い付き合いに、これ以上何があるというのか。
 新しい部屋に鍵を差し込んだ時、仕事用の電話が鳴り出した。

『すまない、緊急な仕事が入った』
「三上さん? 珍しいですね。直接だなんて」
『それくらい緊急だということだ。今から言う場所まで直ぐ来い。車を向かわせた』
 こちらの返事を言わせる間もなく、電話が切れる。
 車を向かわせた――ここに?
 越してまだ一週間と経っていない。
 改めて、自分と言う存在の位置付けに気付かされた。
 差し込んだ鍵を回すことなく手の中に収め、そのままマンションの下へと向かう。
 いいタイミングで車が横付けになり、乗れと言わんばかりに扉が開いた。
 車に乗り、数分で見慣れない道を走り建物の前に止まる。
 初めて三上と出会った、あのビルとは比べものにならないくらい高く、見上げると、首が痛くなる。
 5年――その年月の長さを思い知らされた。

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド


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