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ラブストーリー

奇蹟を抱く

   

その報せを聞いたのは八月の終わりだった。
あの人の乗っていた船が沈んだと。

まるきり信じてなどいなかった。
あの人の触れたわたしの頬が。
腕が指が足が知っている。

あの人がまだ存在しているということを、わたしだけが知っている。

 

──あのひとがいなくなった。

 その報せを聞いたのは八月の終わりだった。あの人の乗っていた船が沈んだと。
 雑音の混じるトランジスタ・ラヂオから流れたそのニュウスを、わたしは人ごとのように聞いていた。
 そう、まるきり信じてなどいなかった。

 

-ラブストーリー


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