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ラブストーリー

壊れた夏休み 1話

   

みきおとルビア、ふたりには隠された秘密がある。
お互い、10年前に関係を持ったのだが、それぞれが生きるために記憶に蓋をした。
再会し、互いを思い結ばれることを願ったが、10年前の記憶がふたりを妨げる。
10年前、ふたりには何があったのか…

※この話はみきお視点、ルビア視点で進みます
1話はみきお視点

サスペンス+恋愛のような内容です

 

 
 ずっと悪夢だと思っていた。
 見てはいけない夢を見たのだと思っていた……彼女と出会うまでは。
「みきお、無理しなくていいんだよ?」
 催眠療法をしてくれるというカウンセラーがいる部屋の扉の前で、ルピアが僕の腕を掴んで引き止める。
「無理はしてないよ、ルピア。犯人、捜そうぜ」
「でも……」
 真実を知るのが怖いと彼女は言う。
 彼女自身が被害者で、心の傷を埋めるために、催眠療法でその時の記憶に蓋をしたのだという。
「僕はルピアと普通の恋人同士になって、その先のことも考えたい。そりゃ、身体の関係だけが全てじゃないと思っている。綺麗ごとだけどさ。でもさ、好きになった子と肌を重ね合わせたいって思うのも自然のことだと思う。僕にとっても、ルピアにとっても、十年前のあのことが引き金となって、好きなのに触れたいのに触れられないのが悔しい」
 問題は、彼女だけではない。
 僕自身にも、トラウマのようなものがあり、女性への嫌悪がある。
「そうだね……そうかもね。みきおの病気? その原因を作ったのは私かもしれないんだよね。私も前に進みたい。私たちが大人になって出会ったのには、理由があると思う。使命みたいなもの、あるんだと思う」

 こうして僕らはそれぞれ、催眠療法を受けることにした。
 それぞれが十年前に戻り、それぞれの闇をしっかりと受け止めて戻ってくる。
 きっと、僕らはひとまわりもふたまわりも精神的に成長していると思う。
 いや、成長していきたいと思う。

 

-ラブストーリー

壊れた夏休み<全5話> 第1話第2話第3話第4話第5話

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