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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

8月のエンドロール 3

   

タイゾウがシオリの家で目撃したのは集団レイプだった。
どうして? なぜこんなことに?
おののきながらも動画を撮るタイゾウ。
そしてやってくる黒づくめの人物にタイゾウは驚愕する。
急展開する『墜ちた土曜日』配信

※本編には残酷な描写があります。ご注意ください。

 

堕ちた土曜日 

 
 やべえ。これマジでやべえって。早く警察来いよ。
 望遠レンズを付けたスマホを構え、タイゾウは口に出来ない独り言を心の裡で言い続けていた。スマホの向こう、見えている現実から悪夢が漂いだしていた。
 メグミの悪い予感は的中した。
 シオリの家で目撃したのは、集団レイプだった。
 ごくりと呑み込んだ唾が、胸の辺りでつかえる。シオリが住むワンルームマンション裏手。急な斜面になった竹林から室内を伺っていたタイゾウはあまりの悲惨さに吐きそうだった。熱帯夜だというのに、冷や汗で身体が震えて、スマホがぶれないようにするのが精一杯だ。ここから部屋まで四メートルほど。高低差もあるため、女たちをもてあそぶ男たちはまったく気づいていない。カーテンすら閉めていなかった。
 そう、女たち。女はシオリ一人ではなかった。
 部屋にはシオリの他に、もう一人いた。タイゾウが陣取った場所から、紺のハイソックスと手元だけが見える。モデルのような細い脚に黒いショーツをひっかけた正体不明の女――あれがメグミの言うマリだろうか――がぐったりと転がっている。力なく投げ出された手元には、危ない色をした錠剤が転がっている。
 どっと歓声が沸き、タイゾウが慌てて目線とスマホを戻す。
 床に倒れたシオリの顔に小便がひっかけられていた。小便は顔を滴り、髪まで濡らす。鼻に入ったのか、シオリはひどく噎せて身を捩った。
 うっとタイゾウが呻いた。
 意識を失いかけたシオリの頬を跨がっていた男が張る。ぐらりと顔が横を向く。別の男が口を開かせ、いきり立ったモノを突っ込んだ。奥まで入れられたのか、げぼっと吐く。涎とも精液とも見分けられないものが、床にこぼれた。
 たくし上げられたスカートから、てらてらと汚れた下生えが見える。脱がされたショーツとストッキングが丸まったまま床に落ちていて、別の男が写メを撮っていた。
 まだら色に変色した脚が持ち上げられ、安っぽい白熱灯に照らされる。下生えを押しやって無造作にモノが割れ目に埋まる。タイゾウの目には結合部分まではっきり見えた。もちろん、ゴムはつけていない。男の動きに合わせ、脚も身体も揺れ動く。
 ……女のアソコは、自己防衛のために濡れるんだってさ。それをいいと思って男が勘違いするんだってよ。
 誰かに聞いた言葉が甦って、タイゾウは唾が飲み込めなくなった。
 笑ってー。ほら笑って、アヘ顔ダブルピース。ほら、しろっつってんだよ。
 跨がってモノに回転を加える男が、一向に動かないシオリに唾を吐きかけた。
 フラッシュが炊かれる。突きまくり、ピースサインをする男とともに、犯されるシオリは何枚も写真を撮られた。
 ぐうっとタイゾウの喉が鳴る。
 見ていて胃がひっくり返りそうで、必死に唇を噛んだ。
 吐かないように大きく呼吸をする。立て膝に食い込む石の痛みに意識を逸らした。

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド


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