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ラブストーリー

壊れた夏休み 3話

   

ルビアはハーフの父と日本人の母を持つ15歳。
父はハーフなのに日本人顔をしているが、ルビアはそんな父や母には似ずに祖母の血を濃く受け継いでしまった。
好奇の目に晒されることに嫌気がし、そんな彼女を遠ざける両親に反発するように、外れた道を突き進む。
それでも友達だけは大切に思い、15歳の夏、別荘に友達のトシとなつみを誘う。
楽しくなるはずの夏休み後半が、まさかあんな惨劇になるなんて……

※この話はみきおとルビア視点で進んでいきます。
3話はルビア視点になり、1~2話のみきお視点をルビア視点で見た内容です。続けてお読みいただけると、みきお視点で不明確だったシーンがはっきりするかと思います。

 

 

◆◇◆◇◆ルビア十年前の夏休み◆◇◆◇◆

 日本で生まれて日本で育ち、日本語を話すけれど日本人ではない容姿の私は、幼少期から好奇の目に晒されることが多かった。
 祖父が日本人、祖母が西洋人、父がハーフだけれど日本人と変わらない容姿なのに、私は祖母の血を濃く受け継いだ隔世遺伝というものらしく、ハーフだけれど見た目日本人と変わらない父と、代々日本人の血を引き継いだ母との間に生まれたことで、根も葉もない噂も日常茶飯事だった。
 しだいに母の心は病んでいき、結果、私が小学校高学年の時に離婚、お金だけはあった父は、住込みの家政婦さんを雇い、私をその家政婦さんにまかせっきりにすることを選んだ。
 せめて、その家政婦さんが私と似たような外見をしていたら、少しは世間の目も和らいだと思う。
 小学校を卒業する頃には、お決まりの負け組コースをハイスピードで突き進んでいた。
 初体験は小学校の卒業記念、相手は父親とさほど歳の変わらないおじさんで、20万円で売ってやった。
 それをきっかけに、求められればそれに応じ、中学を出る頃には100人くらいと経験をしたかもしれない。
 そんな噂が流れたけれど、どうでもよかった。
 ここまで来ると無関心だった父親も目が覚めたみたいで、私を祖母の祖国へ留学させるのだけれど、日本の学校と違い9月が新学期の為、ダラダラと8月の中ごろまで日本で過ごしていた。
 当然、悪い友達との縁も切れないまま……
 誰もが関わりたくないと避けていた中、ひとりだけ変わらずに接してくれていた子がいた……ひな子という名前の……住込み家政婦さんの娘さん。
 ふたつ違いで、母一人子一人での生活の中、歳の近い私を姉のように慕ってくれた、本当にかわいい子。
 この子の前だけは、私はひとりの人としていられたと思うし、いたいと切に願っていた。

 

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