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ラブストーリー

壊れた夏休み 4話

   

ひな子は処女なの、許してあげて……!
そう叫んだところで、男が納得するはずもなく、担がれ床に落とされる。
魔の手は、なつみに、そしてルビアにも及んだ。
解放されたのは、翌日の朝。
警察が駆け込んで保護されたからなのだが、誰が通報したのだろう?
その事実は、衝撃的な結末と共に知らされる。

※この話はみきおとルビア視点で進んでいきます。
4話はルビア視点で、事件そのものが解明されています。

 

「なあ、さっきから何を騒いでいたんだ? 帰って行った奴を戻しやがってよ……裏口から入ろうとしやがる。とっさに鍵閉めたからよかったものの……余計なことをするんじゃねぇ」
 男が言い終わった直後、今度は正面玄関の呼び鈴が鳴り響いた。
「ちっ……あのガキ、まだ帰らねぇのか……」
 ガキ? なんで子供が?
 祭りの準備に大人が駆り出され、子供が手伝いをする可能性があることを、まったく考えていなかった。
 助けは来ない、おとなしく、男たちが満足して去っていくのを待つか、明日の午後、家政婦さんが来て警察に連絡をいれるか、どちらかしかないことを悟ったと同時に、手伝いで来ただろう子供を巻き込んではいけないと思った。
 いくらおきまりの低堕落コースを突っ走っていても、それくらいの良心はある。
 なのに、その思いを邪魔する男たち。
「いっそのこと、そのガキも引き入れて楽しむってのはどうよ、兄貴」
 言いながら、手にしたのはそれなりの値打ちがある花瓶、それを勢いよく床に叩きつけた。
 割れた音は今までよりも派手で、子供でさえ何か気付いてしまうかもしれない。
「ばか、音を出すんじゃねぇ。ガキは男だ、男。おまえ、男のケツの穴に興味があるのか?」
 花瓶を叩き割った男の頭を小突くと、ひな子の身体を担ぎ、そのまま床に落とした。
「ひな子……!」
 背中を打ったひな子は苦しそうに呼吸を整える。
 そんなひな子に、男は馬なりになって豪快に服を破る。
 驚きと恐怖で悲鳴すら出せないひな子は、神経の全てが麻痺したかのように、身体を硬直させた。
「やめてーー! ひな子はまだ処女なの……やめてあげて」
 誰かのために悲痛な叫びをあげたのははじめてだった。
 もちろん、自分の為にあげたこともない。
「ああ? 処女かどうかなんて確かめてみなけりゃわからねぇだろ?」
「そうだよな。自称処女ってこともありえる。だいいち、ルビアのダチだろ? 処女のはずがねぇよな?」
 男たちの言っていることももっともだけれど、ひな子が処女だという確率は高い。
 処女でなくても、ひな子だけは守りたい、私はその思いだけで男たちに食い下がった。
「こんな時に嘘を言ったってしょうがないでしょう?」
「じゃあさ……ルビアちゃんが全員の相手をしてくれるのか? ああ、女はほかにもいるから、非処女の女たちが分担てことで……」
 いやらしい笑い声がもれる。

 

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