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SF・ファンタジー・ホラー

にゃんと素敵な東雲市役所猫支店 岐路2 東雲異変

   

動き出すみづき。見守るミヤビ。戦うフク。格闘するハヤトにルーキー。それぞれの大切なものを守るため、それぞれの戦いが幕を開ける。
そして始まる東雲異変。
『岐路2 東雲異変』

 

 
 和綴じの苔色の本を読み終わったみづきは、「分からん!」と本を放り出し、布団に寝転がった。
 フクを病院に連れて行ってから読み通し、現在、朝の六時である。
 普段ならそろそろ起き出すかと言う頃合いなので、久々の徹夜だった。
「これ、東雲異変っていうけど、なに? 多分ていうか、確実に二番世界に関係のあることだけど、全っ然、分かんないんだけど!」
 みづきはぶつぶつと文句を言いながら、本を開いては閉じを繰り返した。
 東雲異変の対処法らしいそれは、まったく要領を得ないのだ。日本語が変だし、存在しない旧漢字が使われているし、おまけに内容はこれをすれば、東雲異変とやらを防げるというものではない。たとえば、突然「荒野に金塊を詰め。」という一文が出てきたり。(なぜ積めではないのかも分からない)だが、「果てより来る雲」が「夢の卵に会い」て、「忘我の域に至る」というのが東雲異変の原因(?)らしい。
 分かるような、分からないような。雲を掴むような話っていうのかなあ。
 みづきは、大口をあけて欠伸した。そろそろ朝の準備をしないとまずい。
 しかし、なにやらボワーッと理解できるような事柄もあって、ますます混乱する。何か、心の奥底をノックされているようで、なんとも言えない気分になるのだ。
 理解が雨雲になって、雨を降らすのはまだ先のようだ。
 フクが回復するまでしばらく置いておこう。
 みづきは朝食を食べるために起き上がった。
 帰りがけにフクちゃんのところに行ってみよう。
 そう決めた。

 

-SF・ファンタジー・ホラー


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