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ラブストーリー

ふたりの生活:二話

   

車に揺られて40分。羽澄は男の暮らす一軒家に到着する。
荷降ろしをしている際に、男との関係が判明するのだが……。
「親戚であって、親戚でない!」

序盤はまだまだ続きます。

 

 車に揺られ四十分、駐車場から歩いて一分弱。蔓草が張り付いた鉄格子から見えるのは、レトロ調の下見板張りの平屋住宅だ。
 屋根は瓦ではなくトタンで、門の向こう側の玄関戸の装飾はかずらが掘られている。広さは普通の敷地面積のおよそ二倍近い。
 庭は手入れされておらず、草は茫々に生え延びている。おじさんは掃除をするのも苦手なのかな。
 園芸士に金銭を支払って刈り込みをすると、想像以上に掛かっちゃうとか。頼むこと自体億劫で、華麗に放置プレイ中?
 段ボールを抱えた男性が、首で門を開けろジェスチャーをする。両手がふさがっているので、手伝うべきか。
 門を開け広げ、男性の後ろに回り込み、後を追う形で付いていく。
「鍵、段ボールの上にあるから、それで玄関を開けろよ」
「あ、はい」
 男に指示を受け、玄関の鍵を解除。引き戸の先に広がるのは、これまたレトロな廊下と室内。
 やっぱり装飾は凝っており、柱にも玄関扉と同様のかずらの彫刻が施されている。
「お邪魔します」
「はい、どうぞ」
 どうぞの言葉には感情が籠っていない。まさに棒読み状態で、受け入れ難い現実が立ちはだかっている。

 

-ラブストーリー


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