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ラブストーリー

先生 第一回 再会

   

2年前の平成24年4月、私はアメリカの工場長の辞令をもらったが、同じ日、私の恩師であり、初恋の人、郁子先生が癌を患い、余命2、3ケ月であることを伝えられた。

アメリカ赴任前、先生を見舞った際、先生から逆に励まされ、手紙を渡された。

そした、平成26年4月、私は2年ぶりにアメリカから帰国し、先生から託されたことを果たしたことを墓前に報告した。

 

プロローグ

平成26年4月、私は2年振りに帰国した。あちらこちらに桜の花が溢れているのを見ると、改めて日本に帰ってきたなと感じる。

本社で業務報告を終えると、その足で都内の小さな霊園にある先生の墓参りに向かった。

途中、花屋に寄り先生の大好きなチューリップの花束を作ってもらった。霊園には沈丁花の香りが漂い、桜の木にはメジロが止まっている。先生のお墓は突き当たりを右に少し入ったところにあった。

私は墓前に花を供え、線香をあげた。
その墓碑には「立花壮一」、「立花郁子」の二人の名前が寄り添うように刻まれている。私はその前に跪き、両手を併せてこう祈った。
  
  先生、あなたの言われた通りにしてきました。
  ご主人の側で安らかにお眠り下さい。

そして、新しいバッファロー工場の写真を供え、その場を後にした。

 

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