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ラブストーリー

ふたりの生活:六話

   

土曜の講義後、羽澄はバイト先に向かった。
上司の土屋との仕事の中、直についてひとつ面白い話をされる。
「あいつ、八十万の売り上げを叩き出しだぞ」

 

 四月中旬の土曜の朝、居候宅の玄関前。時刻は午前八時ちょい過ぎ。
 大学までの通学時間は徒歩と電車を合わせて三十分。一時限目の講義開始時間は八時五十分から。余裕綽々に間に合うので、お弁当も少々手の込んだものを提供。
 千川さんの分は、店頭に出るのでちょっとご飯とおかずは多めに。午後からバイトを入れているわたしは、休憩時間が短いので少なめ。
「行ってきます。これ今日のお弁当です」
「あぁ、ありがとう。気を付けて行けよ?」
 巾着に入ったお弁当を忘れずに手渡す。
 わたしの心配をしているが、親しみを持てない表情のため、あんまり嬉しくはない。親戚の子供だったとしても、愛想をよく接してくれればいいのに。
 社内ではどんな態度なのか興味はある。が、千川さんは二階、わたしの部署は七階。覗きに行くとしても、用事がないのに行くのは躊躇してしまう。
「大丈夫ですってば。千川さんこそ、店頭のほう頑張って下さいね」
「あぁ」
 玄関の鍵を閉め、共に歩く方向は一緒。但し、わたしは地下鉄、千川さんは私鉄を利用する。
 地下鉄を乗り換え、とある駅にて下車。煉瓦が敷き詰められた道を進んでいけば、校舎に到達。
 今日は大教室での講義。環境論は十三回のうち、前半の六回は環境ホルモン系の話。後半の六回で街などの自然環境の話。最後の一回で試験となる。

 

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