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ノンジャンル

超動物園

   

記者である原口 孝は、首都州第一動物園を取材していた。

かねてからの動物ブームの中にあって、ダントツの人気を誇るとあって、その動物園の施設は素晴らしく、動物のリアクションも際立っていた。

一通りの取材を済ませ帰ろうとした原口は、道に迷い、入り込んだ飼育室の中で、物凄い光景を目にしてしまう……

 

「首都州第一動物園は、今日も沢山の人で賑わっています。極東圏で最も優れた動物園と、主要ネットメディア三十社から正式に認定を受けたこともあり、あらゆる層からの支持を受けている模様です。中でも目玉は、先般輸入解禁となったミドリオオヤマネコで、そのケージにはとりわけ多くの家族連れが……」
 俺はポケットから取り出した端末で、過去のニュース映像をチェックしていた。
 同行者は誰もおらず、自動運転の車の中でもあるので、イヤホンは付けない。
 正直言うと、せっかくの外回りなのだから、何人かスタッフを付けて欲しい気もするが、贅沢は言っていられない。
 仕事があるだけマシだと思わなければならない。
「到着デス……」
 アナウンサーの声が途切れたのとほぼ同じタイミングで、機械音声が鳴り響いた。
 慣性を感じさせずに車は停まり、ドアが開いた。
 電子マネー内蔵式の端末をかざすと、一瞬で会計処理が終わり、俺はすぐに外に飛び出した。
 味気ないと言われる無人タクシーだが、このあたりの素早さは魅力である。
「原口さん!」
 車から出て、入り口ゲートの方に二、三歩進んでいくと、威勢の良い声が飛んできた。
 この動物園の広報担当者だ。
 確か、名は白石と言っただろうか。

 

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