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SF・ファンタジー・ホラー

サクリファイス クロニクル編18

   

やっとの思いでロザリーナへ真実を告白したシャルル。
そして、ロザリーナを騙し続けた罪として、彼女がシャルルへ与えた罰とは。

サクリファイスと呼ばれる怪物を描いた、オカルトゴシックダーファンタジー!

 

 その晩、僕はロザリーナへどう話そうか考え、結局眠れなかった。夜明け頃になり、気分を変えようと珈琲を淹れていたら、クレメンティーナがやってきた。
「シャルル、眠れないの?」
 クレメンティーナは、心配げに静かに問うた。
「私にも、頂戴」
 僕は、彼女に淹れたばかりの珈琲を渡し、再び自分の分を用意した。
「ありがとう」
 クレメンティーナは、珈琲を一口飲んで、美味しいと呟いた。
「どう話したらいいか、僕には解らない」
 苦し紛れに発した僕の台詞に、クレメンティーナは溜め息を吐いた。
「そうね、こんなに時間が経ったらとても難しい問題だわ。でも、正直に話す事が大切よ。シャルルが、アーロンに打ち明けたようにね。彼女は、とても対等な立場を望んでいる筈だから」
「失いたくないんだ」
「このままでは、遅かれ早かれ、彼女を失う事になるわ」
 気付くと、僕の持つカップの中で、珈琲が小刻みに揺れていた。
「……なんとか、頑張ってみる」
 苦し紛れの返事に、彼女は満足そうに頷いた。
 カーテンが、うっすらと光を帯びていた。どうやら、朝が来たようだ。
「少し、休んだら?」
 クレメンティーナに僕が言おうとした台詞を、先に言われてしまった。思わず笑みが溢れてしまった。
「もし、また独りぼっちになったらだけど。また一緒にいてもいいかな。眠るのは飽きたんだ」
 彼女は、微笑みながら頷いた。

*****

 

-SF・ファンタジー・ホラー


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