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SF・ファンタジー・ホラー

サクリファイス クロニクル編25

   

最終決戦、突入!
アーロンとカサンドラの会見。
そして、エイハブのクーデターが始まる。

サクリファイスと呼ばれる怪物を描いたゴシックダークオカルトファンタジー!

 

 アーロンは、大胆な計画に出た。逃げも隠れもしたくないと言うように、カサンドラ宛てに手紙を送ったのだ。カサンドラは笑い、もはや勝ったと言わんばかりに文を大きく掲げ、隊員達に叫んでいた。
「この男は、なんとも紳士的な事だろう。会見を申し出るから、自分がプロメテウスの火であるかどうかを、その目で確かめるといいとそう言っている。これは、私への挑戦であると取れる」
 カサンドラは、アーロンの手紙に軽くキスをした。
「こんな男、初めてだよ」
 シンディが、声を上げた。
「カサンドラ様、どうしますか?」
「私は、この男に二人で会おうと思う」
 他の女隊員が言った。
「危険です」
 すると、エイハブが野次を入れた。
「いいじゃねぇか。女隊長様の力とやらを見せて貰いたいね」
 この一連の会話は、僕とロザリーナがカサンドラ隊の宿泊する宿屋の窓の外から盗み聞きしたものである。
「何時ですか?」
 シンディが、カサンドラに問うた。
「全て、こちらに従うとの事だ。そうだな、食事をしながら彼と話をしようか」
 カサンドラは、何か恐ろしいことを考えている。そう、思った。
 僕等は、その晩宿に戻った。戻ると、ロザリーナの憶測が始まった。
「カサンドラは、二人で食事をしながら会見すると見せかけて、隠れている隊員にアーロンを捕まえさせる気だと思う」
「僕等に何が出来るんだ」
 珍しく、ロザリーナが黙ってしまった。そして、暫くの沈黙の後、口を開いた。
「シャルル、何か可笑しいと思わない?」
「何が?」
「アーロンとカサンドラの関係よ」
 可笑しい事は多々あった。ありすぎて、訳が解らないくらいだ。だが、ロザリーナの感じた違和感は、そこではなかった。
「貴方は、300年前にもカサンドラに出会い、そして戦ったと言っていた。そして、先日アーロンはその話には触れるなと言った。私には、情報が少なすぎて正しい考えが出来ない。でも、これは単純な話ではないと思う」
 僕は、ロザリーナの考えを黙って聞いた。
「薔薇十字団とアーロンの間には、何かあるはず。カサンドラが血眼になって追う程の何かがそこにはあるはずよ。ただの、怪物退治では済ませられない何かがね」
 僕は、ふと思い出した事を口にした。
「300年前、エイハブに聞いたことがある。錬金術は、アーロン達に盗まれたと伝えられていると」
 ロザリーナが、ポツンと言った。
「カサンドラと直接話をしてみたい」
 僕は叫んだ。
「やめてくれよ! そんな、恐ろしいこと」
 ロザリーナは、冷めた目で僕を見た。
「そうは、思うけど。出来る訳、ないじゃない」

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