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道 第三回 新旧、二つの才能

   

洋画家、栗原陽一朗は得意の絶頂にあった。「巨匠」と呼ばれ、インタビューを数本受けるだけで、ギャラは何と1,000万円を超えてしまう。

一方、本格的に絵を習いだした浅野雄介は早くもきらりと光る才能を見せ始めた。写生会で描いた作品は周りの者をうならせ、あっという間に絵画教室のアイドルとなってしまった。

 

第三章 栗原画伯

都内のホテルではパリから1ケ月振りに帰国した洋画家、栗原陽一朗が週刊誌のインタビューを受けていた。

「先生、フレンチオープン前に帰国して残念ですね。」
「あなた、詳しいね。」
「はい、自分でもテニスをしますから。昨年はウイリアムズ姉妹で決勝でしたが、今年はエナンが勝つと思います。」

「いや、うれしな。絵の話より、フレンチオープンの話の方が良かったかな?そうか、今度は一緒にテニスをしようか?」
「先生、是非お願いします!」
「早速、練習しなくちゃ。ははは。」
「栗原先生、本当にどうもありがとうございました。」
「こちらこそ、映画、楽しみにしてますよ。」

この日だけで、美術専門誌が月刊と週刊で二つ、一般誌も月刊と週刊で同じく二つ、それにテレビ局が一つ、合計5本のインタビュー。最後は、一般週刊誌だが、インタビュワーが映画女優とあって、ご機嫌だった。

「栗原先生、どうもありがとうございました。インタビューはこれで終わらせて頂きます。お疲れのところ、大変申し訳ありませんが、記事に掲載させて頂きます写真を撮らせて頂きます。もう暫くでございます。」
「いい写真をお願いしますよ。女の子にもてるようにね。ははは。」

 

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