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道 第四回 生涯の師との出会い

   

浅野雄介は初めて応募した美術展で審査委員奨励賞を受賞し、早くも才能が確かなこと証明した。

そして、雄介はますます絵を描くことに励んでいった。

ある時、絵画教室のある啓子の家で、啓子の父、耕三と出会った。

耕三は雄介に経験したことがすべて絵を描くことに役立つので、勉強もしっかりするようにとアドバイスをしてくれた。

不思議なことに雄介はその話を素直に受け入れることができた。

その時、生涯の師となる耕三は70歳、雄介は16歳であった。

 

第五章 絵画展デビュー

「啓子さん、みんなでこれに応募したいと思うの。どうかしら?」

梅雨が明けた7月初め、絵画教室のリーダー、長谷川妙子が一枚のパンフレットを持って来た。

「ここで絵の勉強を始めて3年になるから、そろそろ発表会でもしたいなと思っていたのよ。それで、市のカルチャセンターに行ったら、これに見つけたので、みんなで応募したらどうかなって。啓子さん、どうかしら?」

毎年11月3日の文化の日前後に市民文化ホールで開催されるもので、絵画、書道、陶芸などの分野があり、今年は9月20日が出展締切となっていた。

「妙子さん、ありがとう。」

高校生の頃は、いろいろな絵画展に応募していたが、美大を卒業して絵で生きていこうと考えた頃から、日展などのプロやプロ志望の者が競うものしか頭になく、趣味で絵を描いている人たちの喜びなど考えたこともなかった。

3年前、母が亡くなり、何もする気が起きなかった時、知り合いの長谷川妙子から「絵を教えて欲しい。」と言われて始めた絵画教室だったので、妙子の話を聞いて、そのことを教えられた。

「いいことよね。締め切りまで2ケ月もあるから、みんなで頑張りましょう。」
「まあ、私は趣味でお絵かきだけど、雄介君はきっと入選よ。
 啓子さん、楽しみよね。」

やはり、何らかの形で自分の力を試してみたいと誰もが考えていたようで、教室の話題は絵画展一色となった。

「智子さん、このごろいい絵を描いてるわよ。」
「晶子さんの方こそ上手よ。ねえ、入選なんかしたら、どうする?
 ご主人から何かプレゼントをもらえるんじゃないの?」
「ダメよ。この間、新しい筆を買ってきたら、『お金、使い過ぎだぞ。』って、叱られちゃったから、期待できないわよ。」

いつもの通り、加瀬智子と坂本晶子が中心である。

 

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