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道 第十回 副島の活躍

   

柴崎が仕掛けてきた雄介の「略奪計画」への対応は、耕三が指示した通り、前田画廊の副島が受け持った。

副島は丁寧な言葉を使いながらも柴崎を追い詰め、絵を持ち込ませたことを白状させた上で契約の話も無しとした。加えて、今後、トラブルに巻き込まれても勝てるように会話を録音することにも成功した。

啓子は副島に感謝し、副島は〝幻の画家〟小林耕三のDNAが雄介に受け継がれることを期待した。

 

第十六章 副島の活躍

「もしもし柴崎ですが?」
「アートサロン・シバサキの柴崎社長ですか?」
「そうだが・・」
「いやあ~すみません、前田画廊の副島です。」

副島は啓子から連絡を受けた時、柴崎らしいやり方だと思った。以前から柴崎が絡む美術展には不正の声があちらこちらから聞こえてきていた。しかし、いつも「巨匠 栗原陽一朗」の影があり、誰もその疑惑を口に出して言うことが出来なかった。

  前田社長が健在だから、ウチとは事を構えようとはしないだろう。しかし、どんな反応をしてくるか分からない。
  とりあえず、俺は道化に徹しよう。

「副島ちゃんか。馬鹿に他人行儀だな。」
「すみません。聞いて欲しい話があるんですが、間違えちゃいけないので。」
「なんだよ、聞いて欲しいって?」
「参りましたよ。本当に参りましたよ。」
「どうしたんだ?ぼやきばかりで、いつものように切れのいい副島ちゃんらしくないな。」
「社長には叱られるけれど、あの浅野雄介の件、ダメになっちゃったんですよ。」
「何がダメなんだよ?」
「伯母さんが怒鳴り込んで来まして、土下座させられましたよ。」

  あの小僧、誰にも言うなと言っておいたのに、よりによって、副島のところに持っていきやがったな。

柴崎は不愉快な気分になった。

 

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