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道 第十二回 出直し

   

県美術連盟は、良きにつけ悪しきにつけリーダーだった柴崎の後任を決めるべく、臨時総会を招集したが、柴崎派、反柴崎派が罵り合う展開となってしまった。
議場が騒然とする中、登壇した前田画廊社長の前田肇は「わしらの時代は終わった」と各派の長老に引退を言い渡し、荒技ながら次世代に引き継がせる鮮やかな幕引き、いや、出直しによる新しい時代の幕開けを宣言した。
一方、雄介も出直しのため、耕三のもとで改めて修行を開始し、平成18年4月、雄介は希望通りに美大に進んだ。しかも誰に言われた訳ではなく、自ら日本画コースを選んだ。新しい芽の息吹である。

 

第十八章 美術連盟の再生

県美術連盟は、良きにつけ悪しきにつけリーダーだった柴崎が不在となったので、後任を決めるべく臨時総会を招集した。

「皆さん、ご多忙のところお集まり頂き、誠にありがとうございます。」

連盟委員長の長谷川画廊社長の長谷川義雄が議長席につき、会議が始まった。

「本日は皆様に緊急でお諮りしたい議案が有りまして会議を招集させて頂きました。ご存知の通り、柴崎委員が係争事件に巻き込まれ、委員として活動が困難なため、委員を辞任したい・・」
「議長、説明が違うだろう!お前はあいつの回し者か!」
「委員辞任じゃなく、刑事被告人は連盟から除名だろう!」
「名誉会員の栗原陽一朗の名前がないぞ。アイツも除名だ!」

会議は冒頭から大荒れになった。

これまで、議長の長谷川義雄をはじめ、各種委員は全て柴崎一派が占めてきた。しかし、そのボスである柴崎繁が刑事被告人となったことから、反柴崎派がここぞとばかりに反撃に出てきたのである。

「いや、まだ係争中で、有罪と決まった訳ではないので」
「ふざけたことを言うな!強要罪に強姦罪だぞ。そんな奴らが連盟に留まるなんて、世の中が許すか!」
「議長解任だ!」
「黙れ!柴崎さんの貢献を無視するのか!」
「発言は議長が指名してからお願いします!」

会議室内は柴崎派、反柴崎派の小競り合いに発展し、議長の長谷川義雄は普段なら「この若造が」と強気に出るところだが、全く予期せぬ事態に顔色を失い、議長席でおろおろしていた。

 

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