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綾乃さん 第三回 再会

   

私は綾乃さんの言葉「困っている人の役に立つことで、世の中に恩返しができる」に触発され、昭和60年、1985年、なんとか弁護士になることができた。そして、環境問題に取り組み、支援者もできてきた平成7年、1995年、綾乃さんと25年ぶりに再会することができた。

彼女は看護師として四国の小さな町で主に人暮らしのお年寄りなどの世話をしていた。

綾乃さんを励ますつもりだったが、逆に「あなたの活動は時間が掛かるけれども、みんなが応援している。太一さんの頑張りに私も励まされているから、まだまだ引退できない。」と励まされた。

私はとても充実感を感じていた。

 

第三章 再会

「山口先生、どうして弁護士になったんですか?」

そんなことを聞かれる度に、私は次のようにごまかしてきた。

「音楽が好きだったんですよ。高校時代はブラスバンド部のキャプテンで、市民祭りなんかあるとパレードの先頭が出来るし、野球部やサッカー部の応援も出来るし、主役になれるんですよね。
 ははは、恥ずかしいな。そんな理由で弁護士を目指した なんて。」

でも、それは正しくない。
実は綾乃さんの影響を受けて医者になろうと思っていたが、1年浪人しても数学がダメで諦め、なんとなく法学部に進学した。そこでセツルメント活動を知り、法律相談に携わっているうちに綾乃さんのあの話を思い出したことがきっかけだった。

 「体の調子が悪くて困っている人の役に立つことで、あなたは世の中に恩返しができるのよ。」

綾乃さんが医療の道でなら、私は法律でということ。でも、そんな簡単に弁護士になれるはずはない。司法試験はもう何度も今年で最後にしようと思ったが、ようやく30歳の時に合格し、望みが叶った。

昭和60年、1985年に司法修習生を終え、私が弁護士になった時、無秩序な住宅造成、ゴミ放置など環境破壊が沢山あった。少し前は水俣病、イタイタイ病なども、廃液等によるものだったが、この当時は、町の中で生活環境がどんどん壊されていた。

 

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