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歴史・時代

ハヤブサ王 第5章 〜隼は天に上り飛び翔る(4)

   

 嫉妬に狂ったヤタノヒメミコは、ワケノミコとメトリノヒメメミコに対し軍を派遣した。
 姉妹同士で争うことになった、ヤタとメトリ。二人の間で揺れるワケノミコ。
 三人に待ち受ける運命とは…。

 

 近江に衝撃が走った。
 大王が、軍を派遣してきたのである。
「メトリノヒメミコ様をお迎えにあがる兵にしては、大仰すぎるぞ」
 ヤマベノオオタテが、軍から派遣された使者に問うた。
「我々は、メトリノヒメミコ様をお迎えにあがるために参ったわけではございません。ハヤブサ王様、討伐のために参りました」
 ワケノミコは愕然とした。
「なぜです。なぜ、大王が私を?」
「ハヤブサ王様に謀反の疑いあり、とのことです」
「馬鹿な、私が謀反など」
「そのとおりでございます。ワケノミコ様は、これまで大王によく仕えてこられました。私も傍らで見てきたのでよく分かる」と、オオタテは強い口調で言った。「今回も、大王の命によってメトリ様も迎えにきたのではないか」
「ですが、幾度待てども、メトリ様はいらっしゃらない。それどころか、ハヤブサ王様もお帰りにならない」
「それには…、わけがあるのです」と、ワケノミコは眉を寄せた。
「わけなど、どうでもいいことです。大王も、后も、お二人がお帰りになるのを首を長くしてお待ちだったのです」
 ヤタノヒメミコだけの間違いだろう、とワケノミコは思った。
「ですが」と、使者は続けた。「それも、いまはどうでもいいことです。ハヤブサ王様の真の目的が分かりましたので」
「それが、謀反だというのですか?」
 使者は頷いた。

 

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