幻創文芸文庫 (β)

小説好きの創作小説を無料配信*スマホ対応

SF・ファンタジー・ホラー

cat 〜その想い〜 25

   

 杏那を轢き殺した残り四人が登場。それぞれの事情があるのはわかるが、それは思い上がったものだった。

 そして、猫は犯行グループの四人の会話を盗み聞きしている。
 じょじょに変貌していく猫。それはまるで悪魔のような、この世のものではない化け物に変化した。

 その姿に男たちは恐怖しておののいていた。なにをしても無駄。生あるものは確実に死を連想する。
 しかし、コウジの恐怖からの抗いが、以外なファインプレイをうんだ。これによって、この悪魔を退けた。

 その悪魔の正体が猫である。そしてその猫には杏那の魂が宿っていた。
 岱馳にたいする想いが、未練が、彼女を化け物に変貌させてしまった。
 その復讐が具現化したのが、ちいさき猫だ。

 いま、杏那の復讐の序幕があがるのだ。

 

 都会を突っ走り、法に触れた男たち。逃げ惑う先に着いたのはこの廃墟ビルだった。
 ビルに篭り、情報収集を躍起に手探っていた。自分たちの犯した罪、警察の動向を探るため情報収集は不可欠。
 四人はこのビル六階に身を隠し逃亡する機会をうかがっていた。

 北袋 元樹(きたぶくろ もとき)32歳。このグループのリーダー。犯罪に手を染めた理由。会社を解雇され、仕事を失ったせいで、恋人に捨てられた。その腹いせや憤りで、海外でセレブな生活をするため、大金を得たいがための犯罪。

 南端 秀雄(みなみばた ひでお)28歳。冷静な性格。それは、元公務員だからだ。しかし、頭の良さをひけらかし、周囲を揶揄していた。そこからどんなことでも頭脳を使っていれば足元を掬われることはない。といっていたが、同僚が横領をして、その犯行を秀雄に擦り付けた。刑事事件にはしなかった。が、同僚たちを恨んで、闇討ちして病院送りにした。このグループに入ったのは雲隠れするためだった。

 東本郷 孤徹(ひがしほんごう こてつ)26歳。チンピラ。なにをやってもダメ。社会に蔓延るゴキブリのような男だ。女に貢がせて、騙して脅して生活費を当てにしていた。一攫千金狙いで元樹から誘われたのがきっかけ。

 西京 小路(にしみやこ こうじ)24歳。社会人になってみて、コミュニケーションがとれず孤立。人間関係に疲れ、まじめに仕事をする毎日に疲れ、裏の世界を歩んでしまった。だが、裏でもパシリにしかなれない度胸の無さ。成り行きで参加してしまった。

 最後に、中辻 正明(なかつじ まさあき)30歳。遊ぶ金がほしく、ギャンブルや借金をして首が回らなくなってしまった。そこで、この計画にのった。銀行強盗の犯人。しかし、数ヶ月前に、池袋で惨殺された一人だった。

 猫は一台の車が車道を横切るときに、目撃したのだ。男たちの顔を。
 中辻の携帯電話に、銀行犯のメンバーの写真が保存されていた。それは克明に記憶されていた。偶然にも岱馳とその子と猫はデートしていたが、そこで遭遇したのだ。
 こんな奇跡が起こりうることなどない。しかし、どうやら神様がチャンスをくれたのだ。

 そして一目散に猫は追尾していった。

 

-SF・ファンタジー・ホラー