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幻影草双紙84〜どこかで聞いた話6〜

   

 蒲松齢が夢に出て来て、話をしてくれたのです。

 

***《梅林の話》

 昔々、中国大陸でのお話です。
 その頃、中国大陸には多くの小国が跋扈していて、戦争を繰り返していました。
 勝たなければ滅ぼされてしまう、ということで、戦乱が絶えなかったのです。

 そんな国の1つに、曹と呼ばれる将軍がいました。
 曹将軍は、王様の命令で、遠国まで遠征することになりました。
 兵隊たちを引き連れて、山岳地帯を進みました。
 山岳地帯から、敵の背後へ出る作戦です。

 折しも夏の盛りでした。
 太陽は容赦なく照りつけます。
 岩だらけの道は、上り下りを繰り返しながら、果てしなく続きます。
 曹将軍は馬に乗っていましたが、兵隊たちは徒歩です。
 重い鎧を着て、剣を持ち、よろよろと進むのです。
 兵隊たちは、曹将軍に聞こえないよう、小声で怨嗟の声を出しました。
「ちくしょう、暑いなぁ」
「鎧が重いぜ」
「咽喉がカラカラだ」
「水が欲しい」
「どこまで歩くんだ」
「あの将軍、いい気なもんだぜ、自分は馬に乗ってさ」
「なんで、あんな奴の言う事を聞かなきゃならないんだ」
「全くだぜ」

 

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