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SF・ファンタジー・ホラー

サクリファイス㈼ 完結編 END

   

錬金術を巡る謎が、今明かされる!!
衝撃の最終回。

※長らくのご愛読、誠にありがとうございます。

 

 食事を終えた後、アーロンはワインを飲みながら、全てを話し出した。
「クリスチャンローゼンクロイツ説というのは、なんとも奥が深い話なのだよ。かつて私は彼の元で錬金術の研究をしていた。だが、彼が亡くなる前に研究は完成しなかった。死の前の彼に私は、未完成の錬金薬を与えた」
「それは、何故に?」
「彼で人体実験をするためだった。結果的には未完成となったが、当時は完成品か未完成かも分からず、一か八かの賭けだったんだ。その錬金薬の秘薬については、薔薇十字団の研究室にそのまま残してきた」
 シンディが、立ち上がった。
「薔薇十字団の人体実験に使われた秘薬って、もしかしてそれじゃ」
「恐らくね。同じ効果を持っているようだ」
 シンディは、顔を赤らめて座った。
「特殊な浴槽に隊員を入れて、心身共に浄化した。そうする事で、清らかで強靱な隊員になれるとそう信じられていた。カサンドラの小屋で見つけた研究レポートにそうあったのよ」
 ロザリーナが、告げた。
「その浴槽の中身が、私の研究した未完成の錬金薬だと考えられるね。その効果によって、君達は運命の輪に振り回されてると言えよう。だが、私はその錬金薬のレシピに少しだけイタズラをしたんだ」
「イタズラ」
「ああ。クリスチャンローゼンクロイツのミイラを混ぜろと記載しておいた」
 アーロンが笑った。
「それって、どういう意味かしら?」
 クレメンティーナが、首を傾げた。
「彼が生きている限り、運命は繰り返されるであろう」
 シャルルが、立ち上がった。
「彼は、どこに?」
 その場が、静まり返った。
「まあ。落ち着きたまえ。シャルル、君は彼を消すというのかい?」
「場合によっては」
 シャルルが、答えた。
「いいだろう。私は、彼に何の未練もない。だが、彼は今や哀れな老人だ」
「知ってるの?」
「ああ。運命が繰り返されているのなら、彼は同じ場所で今も繋がれたままであろう」

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