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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season1-1

   

御影探偵の推理・シリーズ開始。

と、銘打ったタイトルではあったが、人間模様を書き綴る作品であり、主人公の御影 解宗がどのような社会人となって成長していくのか、それが探偵という職業であった。

個性という生き方を選ばなくなった現代の若者たち。
低所得でも安定した職業に就職するという現代の若者はこれからも強い傾向がある。

そのなかで、自分自身の可能性を信じて生きようとしている御影という若者の生き方を描く作品である。

日本屈指の超一流名探偵氷室 鉄矢の探偵事務所に就職しようと面接を試みる。
しかし、それは不可解な試験のはじまりだった。

御影は試験に合格できるだろうか。

 

 私は新宿を拠点にして探偵をしている御影 解宗(みかげ ときむね 23歳)というものだ。

 誰もがこの私にこうべを垂れて、依頼をする。頼み込むようにして、崇めるようにして、称えるようにして、私に乞い、願うのだ。

 落胆、残念、無念、怨恨などの感情のうさを晴らすためにあらゆる方法のひとつとして、ここに訪れる。
 依頼人の気持ちはただひとつ。
「解いてほしい」ただそれだけだ。

 だが、その一言は奥が深い。入り組んだ樹海のようで、正しき道や出口などあるのかわからない。

 それでも私は有望な探偵だ。かならずや一本の道筋を解明してあげる。
 感覚でわかる。肌から伝わってくる。それらの混沌としたすべての情報に、私のセンスは共鳴する。
「み~つけた」

 謎を解き明かすときの口癖は、幼稚のなかでももっとも稚拙な言葉だが、的を得ている。
 と、そう思っているのは未来の自分だ。

 理想は遠い。周囲は私をみてはこういうのだ。

 氷室探偵事務所に勤めて一年が経とうというのに、“見習い探偵”と揶揄するようにくちにする。

 私はいつも反発する。
「見習い探偵と呼ばないで!」

 比べてしまうのもむりもない。優れた者のなかで、一流も超一流の探偵氷室 鉄矢(ヒムロ テツヤ 35歳)。

 私の憧れでもあり、師でもある。
 しかし、推理力なら探偵事務所代表の氷室さんにだって、劣っているとは思わない。
 内心に秘めているだけで、くちが避けてもいえないが。いずれかならず理想は現実の光景へと周囲にわからせる。

 そして私の推理力がどの程度なのか、それはあなたたちで判断してください。

 トリックを見破るだけの探偵なんて、意味はない。
 依頼者の影となって、悩みに迷走している心を晴らすのが、私なりの探偵だと思っている。

 さぁー、いまその舞台の幕があがる。
 お楽しみください。

 それでは…また

 ミガケ

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

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