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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season1-2

   

 探偵の採用試験がどういうものか、よくわからないで御影は挑んだ。が、筆記試験と体力テスト、そして探偵としての適正とセンスを試されることになる。

 御影は、この試験のなかで、探偵としての適正とセンスに苦難している。
 どういう人物が適正があってセンスといわれるのだろうか。

 だが、その答えにたどりつくまえに、試験の終了時間となる。

 別室では、氷室が試験中の御影をモニターから覗き見していた。しかし、そこにいたのは御影がテレビで観ていた人物とはまるで別人のような外見だった。

 御影の前に現れる瞬間、それはまだ試験続行の合図だったことを御影は気づかなかった。

 そして、下された試験の合否の結果は?

 

 採用テストは一般常識の筆記テスト、体力テスト、探偵としての適正、そしてセンスなるものだった。センスというのがどうやって採点されるかは不明だったが、氷室がみればそれはわかるというのだ。

 御影がテストに集中している最中、氷室は自室のパソコンの画面から、入社試験をしている者を高みから覗き見していた。

「こいつか、この若者が試験を受けているのか」デスクから小柴に電話をかけていた氷室。

 はい、そうです。と小柴はこたえた。

「そうか。小柴くんから見た印象はどうかね?」

「それはわたくしには、計りかねることと思います」

「そうか。きみの目はなかなかの洞察力を持っていると、わたしは認めているのだよ」
 氷室はいやらしくいった。とても日本一の探偵の顔ではない。

「そうですか。なら採用されてみては?」小柴はこたえた。

「ほう、めずらしい。きみが採用したいと、彼のなにかに惹かれたのかね。それともお気に召しているとか?」小室は下品な想像をふくめて二十代後半ではある女性にむけて下卑た口調でいった。

「どうされましたか?」小柴は異変に気づいた。「氷室さんともあろうかたが、そのような下品な発言はなされないと思いますが、なにかありましたか?」
 小柴はたずねた。

「ぐっふふふふ―」もはや氷室の笑い方ではなかった。「まぁ、いいだろう。それよか、この人物は採用でも不採用でもどちらでもよい、ただ時間が終わったらとっとと帰しなさい。で、明日にでも不採用の通知を連絡しなさい。電話でも手紙でもかなわない」
 氷室はデスクの椅子にふんぞり返っていた。

「氷室さん、おふざけがすぎます。それではせっかく未来ある若者の道をどうでもよく思われている。それ相応の採点をしていただけますか。彼は自力でここまでたどり着いていま試験を受けているのですよ」

 氷室は、小柴の指摘に耳を貸した。そしてパソコンの画面に視線を置いた。

「んー、なら、しかと採点してやる。まっていたまえ。そして、120分後、試験が終わり、受験者を帰したら―」氷室はそこで言葉を切った。

「帰したら?」小柴は反芻した。

「スターバックスでコーヒーのもう?」

 ガチャ。
 小柴は問答無用に通話を遮断した。

「あちゃー、やっぱりわるふざけがすぎたか。あとでナナコちゃんと氷室さんに、どやされるかな―」

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

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