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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season2-5

   

 相澤家は世田谷区に住む資産家だった。裕福な暮らしに不自由しないが、圭吾は道をはずしてこれまで幾度となく警察の厄介になっていた。

 暴力的な振る舞いに、隣人との付き合いや学校での評判は最悪だった。
 大地が聞き込みをするも、圭吾のことを心配する他人はひとりとしていない。むしろこのままいなくなってもらいたい、と懇願にも似た感情を漏らすのだ。

 大地はそういう輩が苦手だった。そのため捜索に進展が望めなかった。

 森谷、御影が加わっても変わりはなかった。目撃情報すらなかったのだから、この町にはいないのかもしれない。
 だが、森谷に一本の電話があり、まさかの報告を受けた。

 川上が浮気調査をしている奥さんを尾行しているときに、偶然、圭吾少年を井の頭公園にて発見。

 これで依頼は終わったかにみえたそのとき、探偵たちの前に警戒すべき人物が圭吾を見下ろしていた。

 そして、御影は独断の行動を取るのだ…

 

 相澤家は世田谷区梅が丘に一軒家を所有していた。他人が羨む資産家だった。
 警察に捜索願いを提出するが、公にはしたくない、という希望があったため、警察は手をこまねいている。

 探偵は、この地域を捜索するも手がかりがない。目撃情報もない。探偵事務所のインターネットの人捜しの掲示板に情報を掲載するが、一通も連絡はない。

 付近を聞き込みした大地だったが、”捜すな”。”そのまま消えちまえ”。という中傷的な言葉ばかりをいただいたという。
 心よく思っていない人々が多いということがわかった。

 森谷たちは捜索を中断した。

「ちょっと電話してくる」森谷はそういうとふたりから少し離れて探偵事務所に電話をいれていた。

「彼は周囲に恐怖を与えていた。だから恨まれている」大地はいった。

「大地さん、むかしなんかあった?」御影は踏み込んだ。
 探偵同士がプライベートを話すことを避ける傾向がある。だが本人が話すのなら、それは自由でもあった。

「まぁ、そうね。でもそんなにはひどくはなかった。もっと悲惨にいじめられていたひとっているでしょ。私は言葉の暴力だけだったから。”気持ちわるい”、とか”お化けみたい”だとか、見た目がこんな地味だからしかたないけど、無視してたら言ってこなくなった」
 大地の黒歴史ともいえることを恥ずかしがらず、御影に話す。

「反応をみてたのしむのがいじめる側っていうからね。無視したのは適切な対処のしかたです」御影はいった。そして、”お化けみたい”、その悪口は探偵事務所の女子からでた言葉でもあった。そういうイメージがついている大地にも責任はある。
「大地さんが変わってみるとか、外見の話ね」

「そんなのむりよ、地味に徹しているのが、わたしの持ち味なんだし」大地はうかない顔でこたえた。

 そんな持ち味いらない。と御影は感じた。「そうかな、なんか変われそうだけど」
 御影は提案するが、本人にその気がなければはじまらない。

「きみたち」森谷が割って入った。「いい情報がはいったぞ」

 御影と大地は顔を見合わせた。

 

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見習い探偵と呼ばないで! Season2 <全6話> 第1話第2話第3話第4話第5話第6話

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