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幻幽綺譚<11> 終わり

   

 第十一話。キリの良い数なので、幻幽綺譚を終わりにします。
 終わりにしなければ、永遠に続くのでしょうか。
 もし、終わりもせず、続きもしなかったならば……。

 

 一年も終わりに近づくと、新しい年を占う行事が沢山行われる。
 新しい年こそ、良い年であってほしい……、誰もが思うことであった。
 だが、その年は、誰もが愕然とした。
 すべての占いや予言で、否定的な結果が出てしまったのだ。
 ある宗教の一派は、来年は最悪の年となる、と発表した。
 これは、いちばん穏やかな方であった。
 東洋の占いでは、来年でこの世は終わる、という予測が出た。
 そして、砂漠で星を見ていた予言師は、言い切った。
「十一月十一日、十一時十一分に、この世は終わる」
 ドルイドの白魔術師も、これに賛成した。

 この世が終わる。
 一体どうして?
 政治家達がすぐに思いついたのは、戦争である。
 世界の各地で争いが続いている。
 それがエスカレートして、ついには、核爆弾の応酬となる――。
 考えられることであった。
 予言を聞いた各国の指導者たちは、すぐに行動を起こした。
 そして、戦争が終決した?
 逆である。
 どの国も、自国だけは助かりたいとして、エゴをむき出しにしたのであった。
 各地の紛争は、より激しくなって行った。
 だが、占い師や予言者達は、覚めていた。
 確かに、核爆弾が使われれば、都市は破滅するであろう。
 その国は戦争に負けるかもしれない。
 しかし、この世全体が終わるものではないのだ。
 この世が終わる、とは、そんな生易しいものではない。

 科学者達は、地球温暖化に思い当たった。
 南極と北極の氷が溶けて、地球から大地が消えてしまう――。
 しかし、地球温暖化は、長い年月をかけての問題である。
 来年の十一月までに氷がすべて溶けることは、考えられない。
 では、地球が破壊するのか?
 地球の内部については、ほとんど知られていない。
 科学者達が知らない何かが、地球の内部で起こっている――。
 そして、地球が真っ二つになる――。
 これは、ありえないことではない。
 科学者達は、地球内部をもっと研究しなければならない、と焦った。
 観測機器、観測設備の整備を政府に要求した。
 膨大な金額である。
 もちろん却下された。
 十一月十一日といった二桁の数字よりも、天文学的に桁の多い数字の方が、役人達は怖かったのである。

 人々は、天文学者達に詰め寄った。
 小惑星が地球を直撃するんだ――。
 考えられることではある。
 しかし、現代の観測技術は、高度に発達している。
 もし、小惑星が地球に向かっているならば、何年も前に発見できるはずであった。
 では、ブラックホール?
 もちろんブラックホール自体は観測できないが、それが及ぼす影響から、存在が確認できるはずであった。
 現代の天文学を甘く見ては行けない。
 十一月十一日に起こるような天体現象は、何一つ見つからないのであった。

 

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