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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

『蒼色推理』−雪銀館事件− 第二章「雪銀館到着、そして」 3

   

毒入りワイン騒動が起こる。
しかも、謎の脅迫状が大江戸正宗に届いていたそうだ。
蒼野は、「怪しい人物」の正体を推理して行く。
犯人と思わしき人物を捕らえたものの、一同の猜疑心(さいぎしん)は晴れなかった。
応接間で泊まる組と自室に引きこもる組に分かれるが……。

 

 
 俺たちは急いでキッチンに向かい、みんなでうがいをした。大江戸小雨を除いて。
 大江戸小雨が血を吐いて倒れた時点で、俺たちは今、何が起こっているかを理解した。
 このワインには、どうやら本物の毒が入っていたみたいだ。それで味、匂い、色がおかしかったわけである。まさか本当に毒が盛られているはずがないと思って俺は冗談のような世辞を言ったが、そのワインを飲んで倒れた人間がいたんだから、もう笑えない。
 急いでうがいをした後、黒井さんは電話で救急車(救急ヘリ)と警察を呼び、検視官で医師である古山警部が応急処置をしたが、既に彼女は絶命していた。
 黒井さんの顔色が青かった。どうやら、救急ヘリと警察が吹雪のせいでこちらに来られなくなっているらしい。
 俺たちはお互いに視線を合わせては、疑心暗鬼になっていた。
 この中の誰かが、大江戸小雨を殺したのだ。
 そして、自分たちも同じく毒入りワインを飲んだ。
 一歩間違えていたら、もう少しだけ飲んでいたら、死んでいたのは自分だったかもしれない。
 重たい空気が食堂に流れていた。

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド


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